あ~ぁ、ラーメンが食べたい!笑
いやいや神奈川以外にも、札幌の穂高の味噌/塩ラーメン、名古屋の味仙の元祖台湾ラーメンもいい、博多の豚骨ラーメンもイイ!・・・いざ食べることができなくなると、無性に食べたくなるのが人情ですね!
というのも私は先週入院して手術が終了したばかりです。笑・・・(おそらく)まったく問題のない手術だったのですが、消化器の手術ですから2日間は絶食!1週間たった今も脂っこい食事、禁酒中です。まあこれまでの暴飲暴食、不摂生な生活の結果ですから、しばらくはあきらめるしかありませんね。笑
しかし頭に浮かんでくる食べ物は、ラーメンやステーキ・焼き肉、・・・食べちゃあいけない物ばかりです。笑(皆さんも食べられるうちに食べておいた方がイイですよ。笑)
さて今日は最近読んだ『「ねばならない」を捨てて生きる』 (矢作直樹氏著、幻冬舎)について書きます。
(Amazonリンクです。↑)(楽天リンクはブログの最後にあります。↓)
矢作(やはぎ)氏は、国立循環器病センターの医師、医長、東京大学・同大学院教授を経て、現在は名誉教授です。著書に『おかげさまで生きる』『見守られて生きる』『動じないで生きる』『人は死なない』『悩まない』『天皇の国 譲位に思う』『身軽に生きる』『自分を休ませる練習』『ご縁とお役目』があります。
私が氏の本を読んだのは本書が初めてでした。
氏の考え方の軸は本書の「はじめに」と「おわりに」からある程度知ることができます。
一つ目は「すべては学び(学習)」
二つ目は「武士道の心構え(覚悟)」
三つ目は「常に変化する(無常)」
学習、覚悟、無常。この三つは人生そのものです。
(本書P4~5、「はじめに」から引用、太字装飾は筆者による)
例えば、今回のコロナによって、私たちの生活やビジネスの日常は一変しました。
あたりまえのように行っていたことができなくなり、私たちの目論見(予定やスケジュール)は大きく変更されました。・・・このことは日常が昨日や今日の連続だと考える日常はいつも同じではないこと(諸行無常)を教えてくれました。
しかし、いい出来事も悪い出来事も、私たちにとっては学びです。今日と同じ明日が訪れるわけではないことを知り、昨日、今日と明日の間に何が足りなかったのか・何を思い込んでいたのか・どんな新しい発見をしたのかについて、私たちはたくさんのことをレビューし学ぶことができます(学習)。
そこには何があっても肚(はら)を据える。慌てず「そういうもの」と受け入れて対処する。あるがままと感じる心構え、変わる覚悟が何より必要なのです(覚悟)。
・・・この三つさえ忘れなければ、先でなにが起きようとも乗り越えていけるからです。「ねばならない精神」を捨てればいい。
(本書P205、「おわりに」から引用、太字装飾は筆者による)
私なりに氏の考え方の軸をまとめ、なぜ本書のタイトルになるかを解説すると以上になります。 そして氏なりの捨てるべき「ねばならない」についての50余りの項目を、平均2ページずつ随筆風に書いている、というのが本書の構成です。
最後の「附章 すべてはあの世から始まる」は、私には理解できません(私の好みではありません)でしたので、私の記事の対象からは除きます。が、その前の50余りの項目の中には面白いと思う項目がありましたのでここに少し書いておきます。
1. プライベートにおいてはノープランが一番いい
ビジネスの世界においてはプランは必要です。ビジネスを取り巻く環境に変化が起きた場合を想定してコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)を立てて臨むことも経営においては常套手段です。
しかしことプライベートにおいては、ノープランという手もあるなと私も思います。なぜなら氏も言う通り、何でもかんでも目標設定することでストレスまみれになるリスクがある・変化への柔軟な対応力がなくなるからです。例えば30歳・40歳・50歳・・・までにある程度のこうなりたい/ありたい目安はもつものの、基本的にはなるようになると考える生き方は大切だと思います。・・・それは一見生き方としていい加減のようにみえますが、肚を据えて生きる・覚悟があるからできることとも私は思います。
2. ただ今、この瞬間(中今)に集中する
ただ何もしないで生きるということではありません。いまやりたいと思ったことに、ただ今、この瞬間(中今※)に集中して生きるということをここでは言っています。
- 中今:なかいま。神道における歴史観のひとつで、時間の流れのうちに中心点として存在している今。英語ではゾーンとかフロー体験といわれる
人間は目標達成したいために合理的に物事を考えようとします。しかし人間はしょせん脳と遺伝の二重構造と考えるべきとの説があります。これは人は原始的な生物から人にいたるまでに獲得してきたすべての遺伝情報を原則としてDNAに保有していると考えており、一方脳は自分が生まれたときにそこからスタートして情報を処理するためのアルゴリズム獲得を学習によって発揮していくという考え方です(『愛は脳を活性化する』(松本元氏著、岩波科学ライブラリー42)を参考)。・・・簡単にいえば、人間はこうすべき/あるべきと脳で合理的に考えようとしても限界があり、むしろDNAからくる直観的なものの方が意外に当たっている(活きる力がある)ことがあるということだと思います。
合理性よりもインスピレーション重視もあり得るということです。
3. 余裕があればプライベートではできるだけ遠回りをする
ムダの効用と氏は例えていますが、読書にしても結婚にしても何でもそうですが、人間には読んでみて・やってみてはじめてわかることがたくさんあります(換言すれば、回り道しないと人は学べません)。余裕があれば(あえて余裕をつくってでも)、自分の未知の世界と積極的にコンタクトをとることで脳は活性化する、と氏は述べています。
経験もしないであれこれ決めつけて考えることは、自分の脳にとって都合がよい・甘やかすことにつながります。自分の内部世界を広量にするために、できるだけ遠回りをする勇気は必要です。
4. 本は紙で読むのが一番
本は紙で読むのが一番 ・・・はさておき、前項3の実践のひとつとして読書の有効性はあると思います。趣旨は読みたい/役立つと思う本だけを読むのではなく、知らない分野、読んだことのない作家、絵本や漫画にも触れてみることが脳を刺激すると氏はいっています。私も同感です。
次に、本は紙で読むのが一番 ・・・ですが、kindleでも何でもいいのですが、電子書籍は手っ取り早く・安く読めるメリットはあります。しかし紙の本は本棚にあれば、ふと手に取って読むこともあります。また背表紙のタイトルを見直すだけで内容を思い出すことができます。人は自分に都合の良い情報を取捨選択して生(活)きようとします。しかし世の中はそうはいきません。・・・可能な限り、読んだ本はふり返り可能な状態にしておくことの方が効果がある、私の紙の本へのこだわりの理由はここにあります。
5. 人とは分かり合えないことを前提にすべてを進める(わかり合える努力を怠らない)
本書では「わかり合う作業をやめる」項目で書かれています。わかり合うという作業は、時間がもったいない・人間関係でもっとも疲れる作業なので止めて、気にしない方が良いという趣旨です。換言すれば、親しい仲でも適度なディスタンスをとる・世間から非常識と言われることを怖れないということです。
企業経営や私の現職・コンサルなどをやっていると、この発想は非常に遠いところにあります。正直言って苦手です。笑・・・しかしあらためて読んでみるとさもありなんとも思いますが。
しかし次のように私は考えます。
「人が互いにわかり合うことが難しいということは、脳が学習によって作り上げた内部世界をもとに外部出力をする、極めて自己中心的な情報処理システムだからなのである。・・・しかし、人は互いにわかり合うことが難しくできているにもかかわらず、・・・「関係欲求」というものがあるので、人にわかってもらわないと生きられない存在なのである」(『愛は脳を活性化する』(松本元氏著、岩波科学ライブラリー42)より引用)
よって、本項のタイトル通り、私は人とは分かり合えないことを前提にすべてを進める(わかり合える努力を怠らない)と書き替えました。そしてわかり合える努力とは「自分の意欲を相手に伝える・伝え続ける」ことだと私は信じています。
・・・・・
以上、まだまだこの本の50余りの項目には、私が読んでもあと20項目は参考に考えてみるべきことがあると思いました。
皆さんもそんなこの本の読み方をしてみてはいかがでしょうか。
なお、本記事を書くにあたって2箇所に引用・参照した本があります(下記↓)。
(Amazonリンクです。↑)(楽天リンクはブログの最後にあります。↓)
本書の著者松本先生は、2002年頃だったでしょうか、先生の講演でお会いしたことがありました。とても優秀な・高名な先生(脳科学者)でしたが、気さくで、わかりやすくお話しいただいたことを今でも覚えています。そして本書のタイトルが好きで、私は今でも本棚の目に付く場所に置いてあります。
先日、先生は今どうされているのだろうか?と思ってネットで調べてみたら、突発性細菌性腹膜炎で亡くなられておられました。・・・どうもお会いした翌年だったようです。ご冥福をお祈りいたします。
(楽天リンクです。↓)
- 価格: 1320 円
- 楽天で詳細を見る
愛は脳を活性化する (岩波科学ライブラリー) [ 松本元 ]
- 価格: 1430 円
- 楽天で詳細を見る
最後まで読んでいただきありがとうございました。