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入院中に読んだ、医者が教える『正しい病院のかかり方』と『ヤブ医者の見分け方』笑・・・読書感想文!?

今週のお題「読書感想文」】

Hara-Blog!です。

前回のブログに書いたように、私は8月26日から3泊4日で大学病院に入院しました。

急きょ予定を早めて入院したので、とりあえず空き時間に読む本を書斎に積んである読み残しの本から無作為に7冊ほどバッグに詰め込んで病院に向かったのですが、病院について本をみて思わず吹き出してしまいました。

7冊のうち2冊がたまたま医者が教える正しい病院のかかり方 風邪からガンまで命を守る60の選択』(山本健人氏著、幻冬舎新書)と医者が教える「ヤブ医者」の見分け方 病院選びに失敗しない16の法則・31の助言』(金子俊之氏著、ゴマブックス)だったのです。・・・これも何かの縁かなと思って入院中にこの2冊から読み始めました。笑

私はもともと病気には縁がなく(というか病気を気にしない方で)、病院も医者も大っ嫌いです。病院に一度行くと次の訪問予約を求められる・他の病気まで見つかり面倒が増えるからです。・・・ただ永年の不摂生は確実に私の身体を蝕んでいることが昨年の独立・起業後の精密検査で発覚して、この際だから1年かけて身体のメンテナンスをしようと思って対処しているのが今です。

そんなことですから私は病院・医者に関しての知識はほとんどなく、少しは本でも読んでおくか!ということでこの2冊を昨年買っておいたのです。・・・これまで積読(つんどく)でしたが。笑

本書の著者である山本健人氏、金子俊之氏は現役の医者です。・・・餅は餅屋に聞くのが一番でしょう。

この2冊がどんな内容なのかを読者に知ってもらうために、以下に目次を掲載しました。

 

医者が教える 正しい病院のかかり方 (幻冬舎新書)
 

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第一章 病院に行く前に

第二章 医師との関係に悩んだら

第三章 がんについて知っておくべきこと

第四章 いざというとき

第五章 薬の知識

第六章 知っておきたい家庭の医学

(『医者が教える正しい病院のかかり方』の目次の大項目のみ抜粋)

 

医者が教える「ヤブ医者」の見分け方

医者が教える「ヤブ医者」の見分け方

  • 作者:金子 俊之
  • 発売日: 2019/11/07
  • メディア: 単行本
 

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第一章 間違いだらけの病院選び

第二章 医者が患者に教えない健診の秘密

第三章 あなたを守る医療情報

第四章 患者から医者へ

第五章 医者から患者へ~どんな医療を受けるべきか~

(『医者が教える「ヤブ医者」の見分け方』の目次の中項目のみ抜粋)

 

病院・医者に関しての知識はほとんどない私が読んで書くこの記事ですから、医療に詳しい方にとって私は浅学の極みだと思っていただきたい。また私が医療や病院・医師を語ることは犯罪に近いことは重々承知していますので、以下の内容は、私がこの2冊の読書感想文モドキと思って読んでいただければ幸いです。

※以下において、私は『医者が教える正しい病院のかかり方 風邪からガンまで命を守る60の選択』=『正しい病院』、『医者が教える「ヤブ医者」の見分け方 病院選びに失敗しない16の法則・31の助言』=『ヤブ医者』と略して参照・引用元を表現しています。

1. 後医は名医という言葉

後医は名医という言葉を私は『正しい病院』で初めて知りました。「最初に診た医師より後から診た医師の方が、より正確に診断しやすいため、患者さんにとって「名医」になりやすい、という意味」(『正しい病院』P5)だそうです。

この言葉は、私たちはともすれば頻繁にクリニックを替え、ここのクリニックは処置が的確だった・あそこのクリニックで処方された薬は効かなかったなどと医師の良し悪しの情報交換を行いがちですが、このこと自体が不毛な議論(?)・情報交換である可能性があることを示しているのではないだろうかと思いました。

「症状の原因を突き止められない医師はヤブ!」と私たち患者は結論付けたがるが、「むしろ症状の原因やメカニズムが完全に明らかになることの方が少ない」、これが医者の教えでした(『正しい病院』P64)。

そういえば、私たちはコロナのこの半年間、TV報道などで感染症の専門家の発言を聞き続けています。そこで少しずつわかってきたことは、専門家がもつ専門知=唯一の真理ではないということではないでしょうか。・・・コロナもいろいろと経験を積み・情報が揃ってきて初めて真理に近づき始めています。この点で、私たちはある意味で後医は名医を目の当たりにしているとも言えます。

ましてや素人の患者が専門家をとやかく言うこと自体が無謀であり、一旦は専門家の意見に耳を傾ける心がけが必要であることを私は学びました。

余談ですが、私たちは病院・医者選びにおいてネットの口コミ情報を参照します。しかし「実は口コミはお金で買えるので、業者がお金を出して嘘の口コミを書かせていることもあ」るそうです。よって「口コミについては話半分程度に見ておくのがよい」(『ヤブ医者』P105)そうです。

2. 医者との付き合い方・向き合い方

そうなると医者との付き合い方・向き合い方も一考する必要があります。

私たちの、医者=症状の原因やメカニズムを即座に解明し対処してくれる専門家としての認識から、それに加えて中長期的に私たちの身体や病歴を理解してくれ適切にアドバイスしてくれるアドバイザーとしての認識が必要ではないだろうかということです。

そこで考えるべきはクリニック(街の小規模施設、診療所・医院など)と病院(入院患者のベット数が20以上の比較的規模の大きい医療機関、大学病院・総合病院など)の関係です。私たちは「身近な疾患はクリニックで、重症患者は病院での診療が基本」と地域医療連携を考えますが、まずは近隣の私たちをよく知るアドバイザーとしてのクリニックを訪問し、そこから適切な病院を選んで紹介してもらうという常套手段がベストな方法となります。・・・身近なクリニックに自分が信頼できる・何でも相談できるクリニックを1つ見つけ・育てておくことが医者との付き合い方・向き合い方の基本になります。

しかし簡単にはいかないこともあります。そのときはクリニック・医者選びにおいて「相性が合わないと感じる医師との関係を我慢して続けることで、治療に対して意欲をもち続けるのが難しい場合」は担当医師を替えて欲しいと正直にいうべきです(『正しい病院』P73)。またクリニックを替えることもやむを得ないということだと思います。・・・ということが書いてありました。

3. 「ヤブ医者」※の条件

初期のクリニック選びにおいては、後々のスイッチング・コストを考慮して「ヤブ医者」は回避すべきです。どんなクリニックを「ヤブ医者」と呼ぶかは、本書のタイトル通り「ヤブ医者」かどうかをチェックすべき12項目が書かれていました。

ここでは私も実体験した4つだけ掲載しておくと、

  • 風邪に抗生物質をすぐ出す医者(『ヤブ医者』P20)
  • 高齢者にポンポン薬を出す医者(『ヤブ医者』P22)
  • 患者を抱え込んで専門医に引き渡さない医者、必要以上に来院させる医者(『ヤブ医者』P32)
  • 愛想が悪く態度の悪い医者(『ヤブ医者』P35)

です。

日本医師会が7月22日に発表した調査結果によれば、2020年3月~5月の診療所のレセプト(診療報酬明細書)の総点数(入院分を除く)は対前年同期間比で16%減少したそうです。またクリニックの2020年の収入状況(保険診療収入)は4月が対前年同月比で59%減、5月が同69%減、7月が43%減だそうです。原因はコロナ感染を恐れて来院を控えた・来院回数を減らすために長期処方を求める患者が急増したことによるそうです。

病院経営の視点からすれば薬をたくさん出す・患者を囲い込む・態度が悪くなる気持ちがわからないでもありませんが(笑)、少なくとも上記4つに該当する医者はきちんと患者として意見を言い、医者としての説明を納得できるまで求めるべきであろうと思います。・・・その答えによっては、中長期的に付き合うアドバイザーとして不適と判断し、クリニックや病院・医者の変更を考える必要があるということでしょう。

※本のキャッチとして使われているので私も使用していますが、私は個人的には「ヤブ医者」という言葉は好きではありません。

4. セカンドオピニオンの正しい理解

もうひとつ私が今回の読書で学んだことにセカンドオピニオンがありました(もちろん言葉としては知っていました)。

皆さんはセカンドオピニオンと通常の紹介との違いを説明できますか?

セカンドオピニオンは、治療中の病気に関して他の医師の意見を聞くことができる仕組みのことです・・・。

通常の紹介では、患者さんは他の病院で保険診療を受けるために受診します。紹介先の医師は患者さんに会ったその日から検査を行うことができますし、治療を開始することも可能です。必要に応じて、引き続きその病院に通って治療を継続することが可能です。

一方、セカンドオピニオンは「他の病院の医師の意見を聞くだけ」です。・・・元の病院の医師が作成した紹介状(診療情報提供書)を見てコメントするだけです。保険診療ではない(健康保険は使えない)ので、1万~4万円くらいの費用が掛かることにも注意が必要です。他の医師の意見をもらって再び元の病院に戻り、その意見を参考に医師と再び相談する、という流れになります。

(『正しい病院』P77、アンダーライン箇所は筆者が加筆、・・・箇所は筆者が省略しました)

ということだそうです。

セカンドオピニオンの使い方を知らなかった私にとって、アンダーライン箇所は参考になりました。

またセカンドオピニオンを求めたら医者は気分を害するのではないか、という懸念を患者はもちがちですが、「正当な理由」があり、セカンドオピニオンを受けるマナーさえしっかりしていれば、「求めることが悪いことでは」ないそうです(『ヤブ医者』P106~111)。

5. 標準治療の正しい理解

また私は標準治療という言葉についても勉強になりました。

私は標準治療=特段の工夫もない普通の治療という認識をもっていましたが、「「標準治療」は「並の治療」」ではなく、「現時点で考えられる「最も有効な治療」」「最も効果の高い治療」のことであり、よって厚労省も認めているから「保険診療の範囲内で提供してもらえ」る治療のことだそうです(『正しい病院』P103)。

私たちは特にがんのような死に直結するような病気の治療において、標準治療といわれると言葉のイメージから抵抗感や不安感をもちがちです。・・・こういう言葉の意味そのものを理解していれば何ら問題ないことですね。

 

以上、私なりにこの2冊の本から勉強になったと思う点を、特に基本的な5つの項目に絞ってここに書きました。

読者の皆さんにとって既知の項目だったら御免なさいです。照笑

 

コロナ・パンデミックによって私たちの生活は一変しました。

コロナ拡大の抑止からソーシャルディスタンス(社会的距離)という言葉が生まれ、医療ネットワークやオンライン化、AI導入の加速に拍車をかけていることは周知の事実です。私たちは、これらの先進的な医療のしくみや方法論ばかりに目が向き、何かデータやノウハウが自分を守ってくれるような気になります。

「患者さんの病気を治療するのは医師の仕事ですが、病気を治すには患者さん自身の意欲が最も大切です。」と山本氏は本書で述べています(『正しい病院』P73)。

「患者さん自身もヤブ医者を見抜ける程度の知識を得てほしい~主体性をもって医療と向き合う姿勢を~」(『ヤブ医者』P180)、と「総合的なオーダーメイドの治療を受けられるようになってほしい」(『ヤブ医者』P183)と金子氏は本書で述べています。

そのためにも、私たちは正しい知識と正しい眼をもち、中長期的に私たちの身体や病歴を理解してくれ適切にアドバイスしてくれるアドバイザーを身近に創り・育て生活していくことが一番ではないか、と私はあらためてこの2冊を読んで思いました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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