<悩んでいる人>
- 初めての経験でどうやってクロージングしたらいいかわからない(営業)
- 「買ってください!」しか思い浮かばないが、それもいえない(営業)
- クロージングに苦手意識がある(営業)
- クロージングでの失注案件が多く営業生産性に影響が出ている(マネージャー)
- クロージングの具体的アドバイスができない(マネージャー)
<本記事の内容>
1. そもそも、クロージングトークとは何か?
2. クロージングトークはあらゆる営業活動のシーンで活用できる
3. 成約率アップを目指すクロージングトーク9選(解説と実例)
4. クロージングトークは組み合わせで使う
今回は、営業パーソンのクロージング力を飛躍的に向上させる「クロージングトーク9選」を紹介します。
本記事で紹介するクロージングトークはどれも実績があるものばかりなので、この記事を読んで、お客様の状況にあわせて適切に組み合わせて実践すれば、営業パーソンとして自信がもてるクロージング力を身につけることができます。
1. そもそも、クロージングトークとは何か?
まずクロージングトークの意味と目的について整理します。
- クロージングトークとは、営業パーソンがお客様にクロージングをかける(契約を依頼する)ときの話法です。
- クロージングトークを使う目的は、
お客様から契約の合意を得ること(または合意に近づけること)、合意が得られなかった場合はその理由を確認する機会を得ること
にあります。
お客様は、自分から「買います!」とはなかなかいってくれません。なぜなら人は決断を先延ばしにする傾向があるからです。
一方、営業パーソンは、これまでの説明や活動に判定が下ることに恐怖感をもちます。よってお客様の決断を先延ばしにする傾向があります。
しかしただ待っていても「契約合意」には至りません。これを解決する重要な役割をになうのがクロージングトークです。
2. クロージングトークはあらゆる営業活動のシーンで活用できる
営業活動はお客様の「小さなYes!」の積み重ねによって進捗します。
例えば、営業:商品の説明後に「いかがでしたか?」→お客様:「役に立つことがよくわかりました」(Yes!)→営業:「では次回は見積書をお持ちしたいのですが」→お客様:「お待ちしています」(Yes!)などがこれに当たります。
実は、この「いかがでしたか?」「では次回は見積書をお持ちしたいのですが」も契約合意に近づける立派なクロージングトークです。
そしていよいよ最終段階の契約合意を目的としたクロージングトークが最大の山場になります。
このように営業活動の初期~契約締結に至るまでのあらゆるシーンにおいてクロージングトークを活用することができます。
3. 成約率アップを目指すクロージングトーク9選(解説とトーク例)
さて、それではご紹介しましょう。
ここでは実績と定評あるクロージングトークを、活用しやすいように、実際のクロージングにおけるお客様の反応の順を想定して整理しました。
①総括結論法
今までの説明と提案の流れを総括して振り返り、お客様が納得していることを確認して契約に誘導するトークです。
例:今までのご説明でこの提案がお役に立てることは十分ご理解いただけたと思います。
②事例提示法
具体的な事例を説明して、契約の結論を求めるトークです。
例:お使いいただいているお客様は、皆さんご満足いただいています。成果がでています。
③共同作業(パートナー)法
これまでの共同作業を強調して、お客様に営業パーソンの立場や気持ちを理解して契約の結論を求めるトークです。
例:私たちでまとめてきたこれまでの内容を、ぜひ社内で説得していただけないでしょうか。
④推定承諾法
契約を合意された状態を前提にして話を進めるトークです。
例:それではいつお持ち(納品)しましょうか。
⑤肯定的暗示法
迷っているお客様に、肯定的な表現をして、お客様の背中を押すトークです。
例:必ずやお客様のお役に立てると確信しています。ぜひこの機会にこの課題を解決して、さらに次のありたい姿に向かって進みましょう。
⑥複数択一法(>二者択一法)
複数択一話法とは、2つ以上の選択肢を提示して、そのなかからもっとも良いと思われるものを選択してもらうトークです。
例:AとBのどちらにしますか?(二者択一法) AとBを比較して、Bの方がお得だと思います。(二者択一法) AとBとCと3コースありますが、お客様にはBコースが最適だと思います。(複数択一法)
※複数択一法には、選択肢を2つに絞って誘導する二者択一法を含みます。
⑦リスク解消法
リスクがないことを説明し、契約の結論を求めるトークです。
例:クーリングオフできますから、お気に召さなかったら期間内であれば返品・返金可能です。
⑧切り札提出法
「今なら」「今回に限り」「この商品だけ」など限定の有利な条件を提示して契約を促すトークです。
例:今ならキャンペーン中ですので特別な価格になります。この商品に限り特別な条件提示が可能です。
⑨仮説結論法
「もし〇〇なら」などの仮定の提案をして、それが可能であれば契約できるかの結論を求めるトークです。
例:もしそのことが実現できたら、契約を検討していただけますか。もしその条件を弊社がのめるとしたら、契約していただけますか。
いかがでしょうか。あらためて並べてみるとどれも営業パーソンとして使っていたもの、あるいは購買者として聞いたことがあるものばかりではないでしょうか。そうクロージングは簡単なのです。営業パーソンにとって一番難しいことは、これらのトークを出すことだと私は思います。勇気をもって・思い切って実践してください。
4. クロージングトークは組み合わせで使う
なお、これらのクロージングトークは単独でも使いますが、お客様から契約合意を得る(契約合意に近づける)ためには、それぞれのトークを組み合わせて1つのクロージングトークとして使うことが多いです。
例えば、①②③などは単独、あるいは①②や①③の組み合わせで、また①→②→③とつなげて万全を期す方法もあります。そしてそれに④を加えてプッシュする方法もよく使われる方法です。
クロージングを進める途中でお客様の迷いを感じたら、その迷いの内容に応じて⑤~⑧を組み合わせてプッシュしてみます。
またどうしても乗り越えられない問題や障害の発生が確認できたら、⑨で抑え込みます。→「障害対処の方法へ」いったん進み→再びクロージングトークの展開を行います。
また、①~⑨のトークは、マネージャー同行の場合には、例えば①は営業、②はマネージャーのように役割分担を行って進めると、より効果的になります。
ぜひお客様の状況に合わせて事前にトークシナリオを準備して、それぞれのクロージングトークが有効に機能するように資料などの準備をされておくことをお薦めします。
実践され、営業パーソンとして自信がもてるクロージング力を身につけられることを期待します。
なお以下は最近出版された参考になる図書です。お薦めです。