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10~30歳代の人が読んでも役に立つ『知的再武装60のヒント』

知的再武装 60のヒント (文春新書)

知的再武装 60のヒント (文春新書)

 

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本書の著者は、元NHKの記者、ニュースキャスター→現在はフリージャーナリストとして活躍されている池上彰さん(69歳)、元外務省主任分析官→鈴木宗男事件に絡む背任容疑で逮捕、512日間勾留→現在は作家(大宅壮一ノンフィクション賞受賞)、大学客員教授として活躍されている佐藤優さん(60歳)です。

本書で、池上さんは次のように書かれています。

身体の寿命は長くなっても、知的活動ができる健康寿命には限りがあります。それまでの間に何ができるのか。そんな問題意識を持って佐藤氏と対談してきました。(本書P4)

そして、佐藤さんは知的活動ができる健康寿命の「重要な折り返し地点」を45歳とされています。

私は最近、「知的再武装」のように、人生のリスタート、あるいは知的メンテナンスを考えるときに、45歳が非常に重要な折り返し地点ではないかと思うんです。(本書P18)

 また、池上さんは「知の壁」を60歳とされています。

60歳の壁あたりのときに、やることをちゃんと見つけているかどうかで大変な違いが出てきます。(本書P165)

知的活動ができる健康寿命の終わりについて、

日本の平均的な男性なら、勉強したり活動したり出来るのは、せいぜい75~76歳まででしょうか(本書P46)

本書は、知的活動ができる健康寿命を75~76歳までととらえ、45歳を人生の折り返し地点、60歳を人生の壁、と位置付け、各世代に向けて、何を学ぶべきか(第一章)、いかに学ぶべきか(第二章)、いかに学び続けるか(第三章)、今の時代をいかに学ぶか(第四章)、いかに対話するか(第五章)、について60のヒントを語ったものです。

そして中高年の読者に多くのエールをおくっています。

私は読了して、ちょっと待てよ、本書は10~30歳代の人が読んでもたくさんのヒントが得られるのではないかと思いました。

10~30歳代の人に役立つ 私の仮説は2つです。

  1. 人生100年時代といわれるが、10~30歳代の人は変動性・不確実性・複雑性・曖昧性(総称してVUCA)の今日を生き抜くことに必死で、ともすれば短期的思考に陥りがちです。よって本書のような長い人生の視点から今の自分の位置づけと在り方を考えてみることは有効ではないか
  2. AIなど急速に進化する中で生き残っていくためには教養が必要との認識はビジネスの世界でも高まっています。本書には知の達人2人により多数の教養名著が紹介されています。今読んでおくべき/おきたい1冊が発見できるのではないか

この仮説に基づいて、本書の内容を参考に、30代以下の人向けに以下の内容を書きました。

【目次】

1.そもそも「知的武装」とはなにか ー 本質を考える

2.これからの人生を分割して考える ー 今の自分の位置を知る

3.これから何をどう武装すればいい? ー 知の達人からのアドバイス

4.まとめ

補.本書に出てくる名著一覧 ー 今読んでおくべき/おきたい1冊

一読いただければ幸いです。

1.そもそも「知的武装」とはなにか ー 本質を考える

本書のタイトルや本文にも「知的武装」という言葉は頻繁に出てきます。

ではそもそも「知的武装」とは何か、ひとことで表すと「勉強すること」です。

ただ著者は、勉強=受験や会社で出世するための狭義の勉強を指していません。そのことも含めた勉強=自分が生きるための勉強と広くとらえています。

具体的には、仕事の知識・スキルの勉強に加え、その時々の社会全般の中から仕事に関連する分野の知識の習得、さらには継続的な教養の蓄積も含まれます。

これらの勉強に果敢にチャレンジすることによって、人は新たな自分のポテンシャルを発見し→知識やノウハウを蓄え→次なるポテンシャルへとステージアップし、その繰り返しによってこそ自分の存在する力が強くなっていきます。

換言すれば、自分の人生の根っこを作り・太らせること=勉強だといっています。

そして「知的武装」の最終目的=死ぬ時の目的は何かというと「良く死んでいくこと」としめくくっています。

マハトマ・ガンディーの言葉:

「明日死ぬと思って生きなさい、永遠に生きると思って学びなさい」

(本書、P35に引用)

一生勉強なんですね。

2.これからの人生を2分割して考える ー 自分の根っこ作りの期限を45歳に定める、今の自分の位置を知る

著者は、知的活動ができる健康寿命を、重要な折り返し地点(45歳)を境に2分割して考え、前半をファースト・ハーフ、後半をセカンド・ハーフと表現しています。

・~45歳:ファースト・ハーフ

       ↑

・45歳:重要な折り返し地点

       ↓

・45歳~:セカンド・ハーフ

特に10~30代の人に向けてのポイントは、

・人生100年時代といわれるが、知的活動は~75、76歳までです。(意外と短い)

・しかも重要な折り返し地点(45歳)以降のセカンド・ハーフは、ファースト・ハーフで作った根っこをもとに「知識再武装」を行ない勝負する期間です。

・よって重要な折り返し地点(45歳)=根っこ作りの期限まで、今のあなたにはあと何年残っていますか?ということです。

あなたが今20歳であれば、あと25年(→さらに5年ごとに5分割して考える)

あなたが今25歳であれば、あと20年(→さらに5年ごとに4分割して考える)

あなたが今30歳であれば、あと15年(→さらに5年ごとに3分割して考える)

が「知識武装」に向けた残り年数の目処になります。(さらに短いことがわかります)

個人差がありますからあくまで目安ですが、これが今のあなたの位置なのです。

3.これから何をどう武装すればどういい? ー 知の達人からのアドバイス

 では、これから何をどうすればいいでしょうか?

まずは勉強の基本姿勢をつくる

人生には、就活/転職活動・人事異移動・会社倒産・起業など自分が思うようにはならないことがたくさんあります。大切なのは、その時々において、くさらず一所懸命に目の前のことをやりきっていくこと、そのやりきる過程でどれだけの勉強をするかによって自分の成長が決まる、と自分に意識させることです。

 次に、自分が勉強する場所を確保する。自分の部屋があればいいですし、ない場合はカフェを利用するでもいいでしょう。

そして日々の仕事以外に、社会全般の中から仕事に関連する分野の知識の習得や教養を身につけるための読書の時間を確保する。毎日1時間以上、休日にはまとまった時間確保を考えます。

これまで~今の自分を棚卸しする

まず場所と時間確保ができたら、始めはその時間をつかって、今の自分を棚卸しします。仕事の成果(知識・スキル)、技術、資格、社会分野、教養、などこれまで身につけてきたことを整理して書き起こします。

自分が45歳になった時の社会を予測し、自分のありたい姿を設定する

自分が45歳なるまでに何をどこまで勉強して、45歳になった時にどのようにありたいのか目標をイメージします。

例えば、あなたが25歳の場合、20年後の世界はどうなっているかを予測します。予測が難しい面もありますが、インターネットや新聞・雑誌など参考に一旦は目標をイメージします。

2045年までに「シンギュラリティ」がやってくると予想されていましたが、テクノロジーの進化が激しく、2029にはコンピュータは人間の脳レベルと同等になるともいわれ始めています。

(2019/12、AIに関するメディア「AIZIN」の記事を参考)

こんな記事を見つけたとすると、このことから類推して自分の仕事や必要な知識・スキル・・・は20年後何が求められるのだろうと考えを進めていくのです。

そして、20年後を目指してまずは直近の5年後の自分の仕事の成果(知識・スキル)、技術、資格、社会分野、教養、などにおいて、身につけたい/身につける目標を設定していきます。

その目標がこれからの自分の軸になるのです。

実行する

あとは実行するだけです。

定期的に棚卸しを続ける

そして1~2回/年のサイクルで棚卸しをしていきます。何ができたのか・できなかったのか(What)、なぜできたのか・できなかったのか(Why)、どうすればさらにできるのか・できるようになるか(How)を中心に検討し、大きなPDCAを回していきます。

 4.まとめ

 以上、『知的再武装60のヒント』(池上彰・佐藤優著)を参考に、10~30代の人がこれからの将来を見つめて、軸をぶらすことなく、いかに知的武装を行っていくかについて書きました。

繰り返しになりますが、人生100年時代といわれていますが、VUCAの今日を生き抜くことに必死で、ともすれば短期的思考に陥りがちです。改めて長い人生の視点から今の自分の位置づけと在り方を考えてみることをお勧めします。
また、AIなど急速に進化する中で生き残っていくためには教養が必要です。技術を身につけることは素晴らしいことですが、人ゆえに人らしい教養を並行して身につけられることもお勧めします。

そのために本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

また私がこの記事を書くきっかけになった『知的再武装60のヒント』(池上彰・佐藤優著)もぜひご一読されることをお勧めします。

補.本書に出てくる名著一覧 ー 今読んでおくべき/おきたい1冊

『知的再武装60のヒント』(池上彰・佐藤優著)の巻末には、知の達人2人により多数の教養名著が紹介されています。皆さんが今読んでおくべき/おきたい1冊が発見できるのではないかと思います。参考にされてはいかがでしょうか。

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